症例
妊娠後屈子宮嵌頓症の2症例
花岡 仁一
1
,
徳永 昭輝
1
,
竹内 裕
1
,
遠間 浩
1
,
建部 和香子
1
Jin-ichi Hanaoka
1
1新潟市民病院産科
pp.239-242
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900320
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妊娠初期の後屈子宮は稀でなく,通常は妊娠の経過とともに自然整復し何ら問題をきたさない。しかし,ごく稀に小骨盤腔内に嵌頓し,尿閉を主徴とする特異な病態を呈することがあり,これは妊娠後屈子宮嵌頓症とよばれる。
このたび,本症の2症例を経験したので報告する。症例はそれぞれ妊娠15週および17週で発症し,いずれも膀胱カテーテル留置,膝胸位の施行により自然整復し,生児を得た。
本症の成因は不明といわざるをえず,なぜ限られた症例のみがこのような病態をきたすのか極めて興味深い。
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