特集 各種診療ガイドラインにみる挙児希望女性の合併症・併存疾患の取り扱い―プレコンセプションから妊娠・出産まで―
5.呼吸器疾患
久野 道
1
M. Hisano
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター母性内科
pp.363-369
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002517
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呼吸器・アレルギー疾患のなかで喘息およびアレルギー性鼻炎は有病率が高く,妊娠にかかわる相談を受ける機会も多いと考えられる。これらの疾患の主要な治療薬は,妊娠中の安全性情報が比較的多く,増悪の危険因子に対する対策を行いながら,個々の患者の臨床症状や重症度に応じて薬剤によるコントロールが可能である。一方,サルコイドーシスはありふれた疾患ではないが,妊娠可能な女性が好発年齢に含まれており,わが国の診療の手引きでは「妊娠・出産の影響」として項目が設けられている。妊娠中の病状は,変化がないかむしろ改善するとの報告が散見されるが,活動性がある患者では産後半年以内に増悪することが多く慎重な対応を要する。
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