特集 危険な画像所見—ぬかりはないか? ①−呼吸器編
【呼吸器5】肺炎
行岡 秀和
1
1大阪市立大学医学部附属病院救急部
pp.624-628
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903998
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
疾患の概要
肺炎は一般には,肺の炎症により肺胞腔(肺実質)内に細胞浸潤,滲出液が生じる肺胞性肺炎を意味し,細菌,真菌などの微生物が原因となることが多い.一方,肺の間質に炎症がみられる間質性肺炎は,薬剤,放射線照射,ウイルス感染,膠原病など,非細菌性の場合も多い.肺胞性肺炎と間質性肺炎の混合型も認められる.
形態学的分類では,大葉性肺炎,気管支肺炎(小葉性肺炎),間質性肺炎に分けられる.大葉性肺炎は急速に肺一葉へ広がる典型的な肺胞性肺炎であるが,最近はあまりみられない.肺炎球菌,クレブシエラなどに特徴的である.気管支肺炎では炎症は小葉に限局し,気管支区域を中心に不均等浸潤影を認める.気管支肺炎は頻度が高く,多くの細菌,ウイルスで生じる.非定型(異型)肺炎はマイコプラズマ,クラミジアなどで起こり,間質を主体とした陰影(スリガラス状影)を呈する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.