特集 産婦人科漢方医学―基礎と臨床のエビデンス―
臨床研究における漢方のエビデンス
11.がん関連疲労に対する加味帰脾湯の効果
玉田 聡
1
,
安田 早也香
2
,
井口 太郎
3
S. Tamada
1
,
S. Yasuda
2
,
T. Iguchi
3
1ベルランド総合病院泌尿器科(部長)
2ベルランド総合病院
3金沢医科大学泌尿器科(准教授)
pp.283-286
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002494
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がん治療は飛躍的に進歩しているが,治療の長期化によりがん関連疲労を訴える患者は多くなった。われわれはがん患者の疲労度とその改善方法について検討してきた。加味帰脾湯投与により自律神経のバランス,うつ,不安,不眠は改善し,また酸化ストレスは減少,抗酸化ストレスは改善した。次にメタボローム解析を行い加味帰脾湯投与により引き起こされる生体内での代謝産物の変化を解析した。疲労の改善と相関して脂質系の減少,アミノ酸類の増加が認められた。加味帰脾湯は脂質代謝系の異常を改善した結果,アミノ酸類の産生低下を改善し,うつや疲労を軽減した可能性が考えられた。
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