特集 産婦人科漢方医学―基礎と臨床のエビデンス―
基礎研究における漢方のエビデンス
4.ストレスに対する加味帰脾湯の効果
-―基礎研究からの検討―
砂川 正隆
1
,
金井 貴宏
1
,
玉岡 蓉
1
,
麦田 稔貴
1
,
塚田 愛
1
M. Sunagawa
1
,
T. Kanai
1
,
M. Tamaoka
1
,
T. Mugita
1
,
M. Tsukada
1
1昭和大学医学部生理学講座生体制御学部門
pp.243-248
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002486
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漢方薬・加味帰脾湯は,オキシトシンニューロンを活性化することが報告されている。加味帰脾湯は,14種類の生薬(茯苓・甘草・大棗・生姜・人参・蒼朮あるいは白朮・黄耆・酸棗仁・竜眼肉・遠志・当帰・木香・柴胡・山梔子)から構成され(牡丹皮を加えて15種類の場合もあり),貧血,不眠症,精神不安,神経症に適応されている。ストレスモデル動物を用いた基礎研究で,加味帰脾湯の投与により抗不安・抗ストレス作用が認められ,作用機序の一端にオキシトシンの分泌促進作用が関与していることが示唆された。
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