特集 産婦人科漢方医学―基礎と臨床のエビデンス―
基礎研究における漢方のエビデンス
3.脳に対する抑肝散の効果
-―セロトニン受容体との関連について―
中村 雪子
1,2
,
島田 昌一
1,2
Y. Nakamura
1,2
,
S. Shimada
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科神経細胞生物学講座
2地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪精神医療センターこころの科学リサーチセンター依存症ユニット
pp.237-242
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002485
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小児の夜泣きや疳の虫に処方される抑肝散は,近年,特に精神神経領域での臨床的および基礎的な研究が非常に活発に行われている。抑肝散は長い年月をかけて効果や安全性などが経験的に確かめられてきたが,その抑肝散成分の解析が進み,それぞれの成分の標的受容体などが次々と判明し,作用メカニズムが推察できるようになってきた。そこで本稿では,抑肝散のセロトニン受容体への作用に注目し,抑肝散の標的受容体とその作用について紹介する。
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