薬の臨床
Combination methodによる低単位HCG測定の実際
伊藤 俊一
1
,
井上 好雄
1
,
岩崎 寛和
1
Shunichi Ito
1
1横浜市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.1143-1147
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204739
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
絨毛性疾患に対する最近のchemotherapyの画期的成果は,奇胎分娩後のsecond growthに対する診断技術の向上,HCG定量法の飛躍的進歩とともにその管理面を著しく改善した。殊にそのfollow-up実施上の基本ともいうべき臨床検査項日の設定1,2)は,本疾患に対する従来の認識を改め,本疾患が比較的controlし易い疾患であると考えられるようになつてきた。特にestablishedtrophoblastic neoplasiaの概念は,本疾患の治療方針決定に際してのHCG測定の重要性を明らかにし,殊に奇胎排出後の,いわゆる腫瘍のHCG低単位期(HCGlow-level stage)3)における測定が絨腫の再発防止法の発見にもつながることからますますその感が深く,低単位HCG測定の適否が絨毛性疾患の予後を決定するといつても過言でない。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.