臨床経験
当院でBRCA1/2変異陽性者に対してリスク低減卵管卵巣摘出術を施行した61例の臨床病理学的検討
野村 秀高
1
,
吉田 玲子
2
,
高澤 豊
3
,
竹島 信宏
1
H. Nomura
1
,
R. Yoshida
2
,
Y. Takazawa
3
,
N. Takeshima
1
1がん研有明病院婦人科
2同 遺伝診療部
3同 病理部
pp.315-321
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000796
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遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)に対するリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)は,HBOCの予後を改善する最も確実な手段である。当院でRRSOを施行した症例の臨床背景,摘出標本の病理組織学的検討を行った。対象は61例で,そのうちBRCA1変異陽性者が39例,BRCA2変異陽性者が22例であった。RRSOを施行した症例の半数以上で近親者に卵巣癌の既往歴があった。術後の病理学的検索により卵管采にp53の過剰発現を認めた症例が6例,卵管采の上皮内癌が1例,浸潤癌が2例に認められた。これら9例はいずれもNCCNガイドラインに示されるRRSOの推奨年齢を超えた症例であった。
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