投稿論文 原著
当院におけるリスク低減乳房切除術後の乳房再建
名倉 直美
1
,
岩平 佳子
,
松井 瑞子
,
山内 英子
1聖路加国際病院 形成外科
キーワード:
術後合併症
,
乳房形成術
,
後向き研究
,
遺伝学的検査
,
遺伝性乳癌卵巣癌症候群
,
予防的乳房切除術
Keyword:
Genetic Testing
,
Prophylactic Mastectomy
,
Retrospective Studies
,
Mammaplasty
,
Postoperative Complications
,
Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome
pp.570-576
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021227811
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過去約8年間の、BRCA遺伝子の病的変異を有する遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC)患者に対するリスク低減乳房切除術(RRM)症例67例78乳房を、同時に乳房再建を行った50例60乳房と再建しなかった17例18乳房に分類して比較し、RRM後の乳房再建選択の要因について検討した。乳癌未発症でRRMを行ったのは7例で全例が乳房再建を行った。乳癌発症は60例で、再建は43例、非再建は17例であった。また、遺伝子検査で乳癌手術前にHBOCと診断したのは38例で、そのうち再建は31例(81.6%)、再発や家族歴から乳癌手術後に診断したのは22例で、そのうち再建は12例(54.5%)あった。以上より、乳癌手術前にHBOCと診断された症例は、乳癌手術後に診断された症例より再建率が有意に高く、乳癌発症の有無およびHBOCの診断時期がRRM後の乳房再建選択の要因であることが示唆された。
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