特集 多囊胞性卵巣症候群の最新知見―生涯にわたる健康管理を見据えて―
4.多囊胞性卵巣症候群に対する排卵誘発法
金崎 春彦
1
H. Kanasaki
1
1島根大学医学部産科婦人科
pp.933-937
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002258
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2022年4月より体外受精に保険が適用され,同時に不妊治療に対する保険適用範囲が拡大された。これまでは多囊胞性卵巣症候群に対する経口の排卵誘発薬はクロミフェンクエン酸のみであったが,アロマターゼ阻害薬であるレトロゾールの使用も可能になった。またインスリン抵抗性改善薬であるメトホルミンもこれまでは2型糖尿病に対する適応であったが,肥満や耐糖能異常,インスリン抵抗性のある多囊胞性卵巣症候群の患者に対して処方が可能となった。多囊胞性卵巣症候群患者に対するレトロゾールやメトホルミンの有用性は数多く報告されており,今後は多囊胞性卵巣症候群患者に対する一般的な排卵誘発法として定着していくものと思われる。
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