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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)に対する新しい排卵誘発法の開発
-―卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を完全に発生させず,さらに良質な卵子を発育させる方法―
田中 温
1,2
A. Tanaka
1,2
1セントマザー産婦人科医院(院長)
2順天堂大学産婦人科教室(客員教授)
pp.817-830
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002642
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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)は,排卵障害を呈する最も一般的な内分泌障害であり,生殖年齢女性の約4~8%に発生し,そのうち約50%は不妊症を認めるといわれている。さらにPCOS症例では,良好な胚を得ることが難しく,卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こすリスクが高いために,現在低刺激の排卵誘発法が主体である。IVM(in vitro maturation)1)~4)やDrilling(LOD)5)6)という選択肢もあるが,利便性,再現性,費用対効果などの点より臨床上十分に満足のできるものであるとはいえない。そこでわれわれは胚の質を低下させることなく,OHSSを発症させない,どの施設でも可能な新しい排卵誘発法を考案した。
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