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特集 多囊胞性卵巣症候群UPDATE――病態を理解しライフステージに応じた管理を考える
【ライフステージごとの課題】
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)に対する新しい排卵誘発法の開発
-――卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を完全に発生させず,さらに良質な卵子を発育させる方法
Development of a new controlled ovarian stimulation for polycystic ovary syndrome(PCOS)
――A method that promotes high-quality egg development without causing ovarian hyperstimulation syndrome(OHSS)
田中 温
1,2
,
佐藤 達也
1
Atsushi TANAKA
1,2
,
Tatsuya SATO
1
1セントマザー産婦人科医院院長
2順天堂大学産婦人科教室
キーワード:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
,
レトロゾール
,
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト
,
カベルゴリン
Keyword:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
,
レトロゾール
,
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト
,
カベルゴリン
pp.891-901
発行日 2023年9月9日
Published Date 2023/9/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28611891
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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)は,排卵障害を呈する最も一般的な内分泌障害であり,生殖年齢女性の約4~8%に発生し,そのうち約50%は不妊症を認めるといわれている.さらに,PCOS症例では良好な胚を得ることが難しく,卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こすリスクが高いため,現在は低刺激の排卵誘発法が主体である.IVM(in vitro maturation)1-4)やdrilling〔腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD)〕5,6)という選択肢もあるが,利便性,再現性,費用対効果などの点より,臨床上十分に満足のできるものであるとはいえない.そこで筆者らは胚の質を低下させることなく,OHSSを発症させない,どの施設でも可能な新しい排卵誘発法を考案した.
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