症例
術前診断により腹腔鏡下捻転解除術を選択し,付属器切除を回避できた小児卵巣広汎性浮腫の1例
中出 恭平
1
,
岡 康子
1
K. Nakade
1
,
Y. Oka
1
1国民健康保険小松市民病院産婦人科
pp.219-224
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002062
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11歳女児の急性腹症を,MRI検査で卵巣広汎性浮腫と術前診断することができた。腹腔鏡手術では茎捻転により卵巣の色調は不良であったが,その術前診断により付属器切除ではなく捻転解除と卵巣生検のみを行った。術後,疼痛は消失し,卵巣を温存することが可能であった。卵巣広汎性浮腫は,画像検査では一見充実性腫瘍にみえることも多いが,付属器切除は必要ない疾患である。稀な疾患ではあるが,若年女性の卵巣を温存するため,本疾患の存在,臨床的特徴を熟知しておく必要がある。
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