今月の臨床 最小侵襲手術アップデート─minimally invasive surgery
腹腔鏡下卵巣腫瘍手術―付属器切除術・卵巣囊腫切除術
浅田 弘法
1
,
伊藤 嘉佑子
1
,
有馬 宏和
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科
pp.335-343
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102949
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●卵巣腫瘍の手術においては,術前診断が肝要である.機能性囊胞,悪性所見の有無についてはMRIなどの画像診断による慎重な診断を行うことが望ましい.機能性囊胞の診断には,経腟超音波検査を違った周期で再検する必要がある.
●囊腫切除術は機能温存手術であり,卵巣機能温存のために,剝離面の正確な認識,パワーソースの選択とより侵襲の少ない使用方法を学ぶ必要がある.
●付属器切除術では,卵巣動静脈の走行,尿管の走行を正確に認識することが必要である.
●子宮内膜症性囊胞の機能温存手術は,卵巣機能喪失のリスク,年齢による悪性変化のリスク,挙児希望の有無などを考慮して,手術方法(囊腫切除術or焼灼術)の選択,卵巣以外の内膜症病巣(Douglas窩病巣,子宮腺筋症など)の取り扱い,不妊治療を含めた方針などについて,総合的に検討する必要がある.
●子宮内膜症性囊胞の術後は,術後の再発予防のため,低容量ピル(LEP)やディナゲスト®の投与などを症例によって検討することが望ましい.
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