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トピックス
卵巣の広汎な浮腫
massive edema of the ovary
広井 正彦
1
1山形大学医学部産科婦人科
pp.634
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206674
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1969年Kalstoneら1)により,下腹痛,不妊,男性化などを伴った卵巣の広汎な浮腫を認めた4例を報告されて以来,同様な症例が多く報告されるようになった。
最近,Slotkyら2)は,2例を報告している。すなわち,第1例は18歳未産婦,腹部の進行性肥大で入院した。月経も初経13歳,以後正順,生来著患は知らなかった。骨盤内に腫瘍を触知,腹水および胸水を認めた。腹水6,000mlを排除,左卵巣は13.5×11.5×9cm,550gに肥大していたので摘出したが,実質は広汎な浮腫を認める以外,悪性所見は認められなかった。第2例は13歳の少女で,右下腹痛で入院した。患者は数カ月来,間歇的な下腹痛を認めた。虫垂炎の疑いにて開腹せるに,虫垂は正常,右卵巣の茎部の一部が捻転をして7×3.5×3.0cm,57gに肥大していた。組織学的にも卵巣が浮腫を認める以外とくに異常所見はみられなかった。
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