診療
新たな胎盤病理指針であるAmsterdam Placental Workshop Group Consensus Statementによる絨毛膜羊膜炎の評価の有用性について
堀越 義正
1
,
谷口 千津子
2
Y. horikoshi
1
,
C. yaguchi
2
1静岡市立静岡病院産婦人科
2浜松医科大学産婦人科学講座
pp.203-208
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002058
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絨毛膜羊膜炎(CAM)の進行度評価に,日本ではBlanc分類が用いられているが,欧米では2016年に発表されたAmsterdam Placental Workshop Group Consensus Statement(APWGCS)による胎盤病理指針が使用されつつある。今回,Blanc分類Stage 3と診断した症例をAPWGCSに基づいて再評価し,APWGCSの有用性を検討した。2014~2019年にBlanc分類Stage 3と診断した妊娠22~42週の胎盤120例をAPWGCSに基づいて再評価し,36週未満で分娩された早期産群(29例)と36週以降の正期産群(91例)に分け,両群間でAPWGCSによる評価に差異があるかを検討した。APWGCS評価は,早期産群でStage 2/Grade 1が4例,Stage 2/Grade 2が4例,Stage 3/Grade 1が1例,Stage 3/Grade 2が20例であったのに対し,正期産群では順に25例,18例,20例,28例であった。正期産群に比べ,早期産群ではStage 3の症例が多い傾向があり(p=0.06),Grade 2の症例は有意に多かった(p<0.01)。APWGCS評価は重症度を反映し,臨床的な病態把握に有用である可能性がある。
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