臨床経験
分娩時の出血関連予後を想定した前置胎盤の分類の検討
-—自施設349例の後方視的解析から—
山本 夏倫
1
,
小古山 学
1
,
高橋 宏典
1
H. Yamamoto
1
,
M. Ogoyama
1
,
H. Takahashi
1
1自治医科大学産科婦人科
pp.209-216
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002059
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全前置胎盤は前置胎盤のなかでも出血リスクが高いが,そのなかでも実際に大量輸血や子宮全摘を要する症例がある一方,これらを要さないアウトカム良好の全前置胎盤症例も数多く存在する。全前置胎盤の出血リスクを正確に分娩前評価することができれば,より適切な医療資源の配置が可能になるかもしれない。当施設での前置胎盤349例の後方視的解析により,全前置胎盤であっても,「既往帝王切開」,「前壁付着胎盤」,「placental lacunae(超音波診断)」のいずれもない場合は,部分・辺縁前置胎盤と分娩時の出血関連予後が変わらないことが示された。
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