今月の臨床 胎盤異常と臨床
産科異常と胎盤病理
2.絨毛膜羊膜炎の胎盤病理
飯原 久仁子
1
,
柴原 純二
2
,
坂本 穆彦
1
1杏林大学医学部病理学
2東京大学医学部病理学
pp.54-56
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903894
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早産では分娩週数の早い症例ほど,胎盤や卵膜に細菌感染を思わせる炎症所見(組織学的絨毛膜羊膜炎)が認められる頻度が高いことは,以前から指摘されていた1-3).現在では,早産の原因としての上行性細菌感染とその結果としての胎児感染についての対策が,管理上もっとも重要視されている.早産を含め,胎児の胎内死亡や子宮内発育遅延などの場合,胎児付属物である胎盤の病理学的検索が不可欠である.しかし,胎盤の形態学的異常と,児あるいは母体の臨床的な異常との対応が容易ではないことが少なくない.このため経験の集積がかならずしも標準的知識の普及には結び付いていないきらいがある.
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