Medical Scope
Chrio-amnionitis—絨毛膜羊膜炎
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.733
発行日 1979年10月25日
Published Date 1979/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205623
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Chrio-amnionitisということばをきいたことがありますか? 日本語でいうなら絨毛膜と羊膜の炎症のことですから,絨毛膜羊膜炎というのが正しいでしょう。つまり,羊膜腔への感染のために,胎児を包んでいる羊膜や絨毛膜が炎症を起こしたという意味です。私たちが一般的な考え方でいうと,羊膜腔の感染,ことに細菌感染というと,破水すると上行感染が生じて,母体も胎児も敗血症にならないように気をつけなくてはいけないという教えがすぐに頭の中に浮かんできます。たとえば,妊娠30週で破水した妊婦が来院してくると,これからの細菌感染に対する診療が重要なひとつのポイントになってきます。しかし,ここで皆さんに考えてほしいことがあります。どうしてこの症例は妊娠30週で破水したのでしょうか。転倒などの動的原因で破水することもあるでしょうが,それらはむしろ例外といえるでしょう。何も破水する原因がみつからない妊婦にも,妊娠30週で破水することはいくらでもあります。こんな人たちの破水の原因は何なのでしょうか。カリフォルニア大学の病理学のベニルシュケ(Benirschke)教授は,見事な解説ときれいなスライドをもって私たちに教えてくれました。
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