特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【各論】
Ⅳ 臓器横断的な考え方を要する婦人科悪性腫瘍
1.神経内分泌腫瘍
石川 光也
1
M. Ishikawa
1
1国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科
pp.1530-1535
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001975
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神経内分泌腫瘍は,肺や消化管,膵臓など全身の様々な部位に発生する。婦人科領域でも子宮頸部のみならず,外陰部,腟や子宮体部,付属器にも発生するが,その発生は稀である。いずれの臓器においても通常組織型とは臨床的特徴が異なり,さらに通常組織型に比べて予後が不良であることが知られているが,発生頻度の低い稀な疾患であるために取扱い指針が確立されていないのが現状である。このような稀少組織型に対する治療法は,各臓器の通常組織型における治療指針が取り扱いの基本にはなるが,ほかの臓器で同様の組織型が多く発生する場合には,その臓器での治療法,治療レジメンを導入して治療方針を立てることが多い。本稿では,神経内分泌腫瘍のなかで比較的頻度の高い子宮頸部神経内分泌腫瘍,特に小細胞神経内分泌癌について,臨床的特徴や取り扱いに関する最近の知見を解説する。
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