特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【各論】
Ⅰ 卵巣悪性腫瘍
1.上皮性卵巣癌
-c.IP/HIPEC
津吉 秀昭
1
,
井上 大輔
1
,
吉田 好雄
1
H. Tsuyoshi
1
,
D. Inoue
1
,
Y. Yoshida
1
1福井大学医学部産科婦人科
pp.1452-1458
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001961
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腹腔内温熱化学療法(hyperthermic intraperitoneal chemotherapy;HIPEC)は,腹腔内を加温した状態で抗がん薬を直接投与する治療法である。これまで腹膜偽粘液腫や消化器がんに伴う腹膜播種病変に対し,腫瘍減量術(cytoreductive surgery;CRS)との併用によるHIPECの有効性が証明されてきた。卵巣癌に対する有効性は,2015年に初めての第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果がSpiliotisらによって報告された1)。また,2018年1月,オランダのvan Drielらによって新たな多施設第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果が報告され,術前化学療法(neoadjuvant chemotherapy;NAC)後のinterval debulking surgery(IDS)時にHIPECを併用することで,有意に生命予後を改善することが報告された2)。
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