特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【総論】
Ⅰ 婦人科における抗悪性腫瘍薬の種類と特徴
4.トポイソメラーゼ阻害薬:イリノテカン,トポテカン,エトポシド
三田村 卓
1
T. Mitamura
1
1国立大学法人北海道大学,北海道大学病院婦人科
pp.1244-1249
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001928
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トポイソメラーゼは,DNAの複製,組換え,転写,および修復が行われる際にDNA超らせん構造を弛緩させるために必要な核内酵素であり,DNA一本鎖切断作用をもつトポイソメラーゼⅠ(Topo1)とDNA二本鎖切断作用をもつトポイソメラーゼⅡ(Topo2)に分類される。トポイソメラーゼ阻害薬はアルカロイド化合物であり,ヒト悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果が発見されてから様々な薬剤が開発され,トポイソメラーゼⅠ阻害薬ではイリノテカン,トポイソメラーゼⅡ阻害薬ではエトポシドとトポテカンが代表的である。また,薬剤輸送効率改善の観点からリポソーム化製剤,イリノテカンの活性代謝産物SN-38を結合させた抗腫瘍細胞抗原抗体などの開発が進められてきた。
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