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テロメラーゼ
青木 直人
1
1東京都立衛生研究所毒性部病理研究科
pp.1009-1010
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902558
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はじめに
染色体の末端部はテロメアと呼ばれ,染色体の安定性や核膜への接着に関する特殊な構造が存在し,TTAGGGの6塩基の配列が数千塩基にわたり繰り返されている.この特殊な繰り返し配列を特異的に合成する酵素がテロメラーゼである.大部分の体細胞ではテロメアが細胞分裂ごとに短くなり,ある程度の長さになると細胞分裂ができなくなり,やがて細胞は死んでしまう.このような現象からテロメアは細胞の分裂能や老化を刻む細胞内時計のような役割があると考えられている.テロメラーゼはこの細胞内時計の設定時間を変えることができ,細胞の不死化や腫瘍化との関連において注目されている1).
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