特集 最近よく聞く他科の薬―先生の外来にこの薬を使っている患者さんがきますよ
第11章 腫瘍
[抗悪性腫瘍薬(トポイソメラーゼ阻害薬(リポソーム化製剤))]リポソーマルイリノテカン(オニバイド®)
奥屋 俊宏
1
1がん・感染症センター東京都立駒込病院 腫瘍内科
pp.732-737
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_732
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▪オニバイド®(ナノリポソーム型イリノテカン:nal-IRI)は,ゲムシタビン(GEM)既治療の切除不能膵がんに対する二次治療としてフルオロウラシル/レボホリナート(5-FU/LV)と併用されるリポソーム化イリノテカン製剤であり,NAPOLI-1試験にて5-FU/LV療法に対して全生存期間の延長を示した.
▪リポソーム化により腫瘍集積性や効果の向上が期待される一方,製剤に関連するインフュージョンリアクション(注入反応)が認められ,さらにイリノテカン特有の遅発性下痢や好中球数減少の管理が重要となる.
▪有効性と毒性のバランスが鍵である.
▪UGT1A1遺伝子多型も本薬剤のベースとなるイリノテカンの代謝において危険因子とされている.

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