特集 日本の周産期メンタルヘルス事情update
9.産科医のための周産期メンタルヘルスケア入門
菊地 紗耶
1
,
小林 奈津子
1
,
木村 涼子
2
,
富田 博秋
2
S. Kikuchi
1
,
N. Kobayashi
1
,
R. Kimura
2
,
H. Tomita
2
1東北大学病院精神科
2東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野
pp.635-640
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001751
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周産期は女性にとって心身および社会的な変化の著しい時期であり,抑うつや不安などのメンタルヘルスの問題を生じやすい。周産期メンタルヘルスケアは,多くは産科や小児科,地域の保健センターといったポピュレーションアプローチの枠組みで行われ,適切なスクリーニングとケア,多職種への連携が重要である。妊娠中には,精神科通院歴,周産期うつ病や虐待のリスク因子,現在の不安やうつ症状の有無をスクリーニングし,産後には,うつ病のスクリーニングとともに,頻度は低いが産褥精神病にも留意が必要である。希死念慮や自傷行為など緊急性の有無と症状の重症度に応じて,多職種連携や精神科への紹介を行うことが望ましい。
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