Japanese
English
特集 —身体疾患の患者・家族のこころを支える—コンサルテーション・リエゾン精神医学
周産期医療におけるコンサルテーション・リエゾン精神医学—プレコンセプションケアから育児支援まで
Consultation-Liaison Psychiatry in Perinatal Care : From Preconception Care to Children Support
菊地 紗耶
1,2
,
小林 奈津子
2
,
富田 博秋
1,2
Saya Kikuchi
1,2
,
Natsuko Kobayashi
2
,
Hiroaki Tomita
1,2
1東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野
2東北大学病院精神科
1Department of Psychiatry, Tohoku University Graduate School of Medicine, Miyagi, Japan
2Department of Psychiatry, Tohoku University Hospital
キーワード:
周産期メンタルヘルス
,
perinatal mental health
,
共同意思決定
,
shared decision-making
,
プレコンセプションケア
,
preconception care
Keyword:
周産期メンタルヘルス
,
perinatal mental health
,
共同意思決定
,
shared decision-making
,
プレコンセプションケア
,
preconception care
pp.1165-1171
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207375
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抄録
周産期には,妊娠出産に伴う身体的・心理社会的変化に伴い,メンタルヘルスの不調が生じやすい。産後うつ病は,子どもの健康面への懸念や母親としての自責感,自殺念慮,強い不安とパニック発作,精神病症状,涙もろさなどの症状が特徴で,重症度や自殺念慮,精神病症状の有無を評価し,環境調整を含めた心理社会的介入や薬物療法を行う。精神疾患合併妊娠に対しては,周産期の薬物療法,育児支援体制のための多職種連携が重要であり,最近ではプレコンセプションケアが注目され,妊娠に向けた生活習慣の検討,妊娠に向けた薬の調整が必要である。周産期コンサルテーション・リエゾンでは,妊産婦特有の心理,周産期の薬物療法,産科・小児科,地域母子保健との多職種連携について知っておくことが有益であり,本人および家族全体の支援を念頭に置き,各医療機関の特性に合わせ,院内外の各医療保健福祉機関との「顔の見える連携」体制が必須である。
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