特集 日本の周産期メンタルヘルス事情update
11.忘れていませんか? 父親の周産期メンタルヘルス
西郡 秀和
1
H. Nishigori
1
1福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター発達環境医学分野
pp.649-652
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001753
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わが国でも父親の周産期におけるうつ状態やボンディング障害は存在する。わが国における父親の産後1カ月のうつ状態(EPDS 8点以上)の頻度は11〜13%,ボンディング障害(赤ちゃんの気持ち質問票5点以上)の頻度は16%であった。周産期のメンタル不調は虐待的育児のリスクであり,児童虐待死亡例(生後1日〜1歳未満)における加害者の36%は実父であった。父親と母親のメンタル不調は,相互にリスク因子となる。したがって,児童虐待やドメスティックバイオレンスの予防に向けた観点からも,父親の周産期メンタルヘルスケアは重要である。
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