特集 日本の周産期メンタルヘルス事情update
8.食生活から始める周産期メンタルヘルスケア
山口 明子
1
,
磯上 弘貴
1
,
菅野 亜矢
1
,
藤森 敬也
1
A. Yamaguchi
1
,
H. Isogami
1
,
A. Kanno
1
,
K. Fujimori
1
1福島県立医科大学産科婦人科学講座
pp.631-634
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001750
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食生活は,周産期合併症だけではなく,妊娠中・産褥期のうつや不安といった母体のメンタルヘルスに影響する。魚や海藻,ヨーグルトの摂取により,妊娠中・産褥期のうつのリスクは低下する。野菜や果物を意識的に多くとる食事パターンや,みそ汁や魚介類を多くとる日本の伝統的な食事も,うつのリスクが低下することが報告されている。また,妊娠中の体重増加も産褥期うつのリスクに関連しており,妊娠前のBMI(kg/m2)が20.0以上23.0未満であった妊婦の妊娠中の体重増加不良は,産褥期うつリスクを増加させる可能性がある。周産期メンタルヘルスにおいても,妊婦の栄養・食事摂取内容や,妊娠中の適切な体重増加は大切である。したがって,適切な食生活の重要性について,妊婦および医療者,社会全体へのさらなる啓発が必要である。
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