特集 子宮体がんup to date
7.子宮体がんの手術療法の最近の話題
-1)リンパ節郭清について
金野 陽輔
1
,
渡利 英道
2
T. Konno
1
,
H. Watari
2
1北海道大学病院婦人科
2北海道大学大学院医学研究院 産婦人科学教室
pp.1343-1347
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002340
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近年,免疫チェックポイント阻害薬などの分子標的薬が新規開発され,進行・再発子宮体癌でも使用されている。しかし,進行症例の割合が低く,完全摘出可能な症例が多い子宮体癌においては,初回治療の基本は手術療法であることは揺るがない。子宮体癌の初回手術における基本術式は子宮全摘出術,両側卵巣卵管摘出術であり,症例によって後腹膜リンパ節郭清を加えるのが現状であるが,骨盤リンパ節郭清や傍大動脈リンパ節郭清をどのような症例に適応すべきかについて,現時点で確立したエビデンスはない。本稿ではリンパ節郭清の治療的意義に関するエビデンス,当科で採用しているリンパ節郭清省略条件の妥当性,センチネルリンパ節生検を用いたナビゲーション手術の現状について解説するとともに,現在進行中の臨床試験である傍大動脈リンパ節郭清の治療的意義を検証するJCOG1412試験についても併せて紹介する。
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