症例
急性腎盂腎炎に対する不十分な治療の後に急性巣状細菌性腎炎を発症し治療に難渋した1例
前田 啓祐
1
,
横山 宏司
1
,
儘田 光和
1
1日本赤十字社和歌山医療センター小児科
pp.627-631
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003489
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急性巣状細菌性腎炎(acute focal bacterial nephritis:AFBN)は腎実質の液状化を伴わない腫瘤形成を特徴とした腎臓感染症であり,急性腎盂腎炎(acute pyelonephritis:APN)と腎膿瘍の間に位置づけられている1).AFBNの症例では高率に膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)を有しており,また,VURなどの尿路異常や排尿排便異常(bladder and bowel dysfunction:BBD)を合併すると再発や再燃のリスクになるとされている2).今回われわれは,APNに対する不十分な治療の後にAFBNを発症し,服薬アドヒアランス不良も加わって治療に難渋した症例を経験した.

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