診療
当科における胎児胸腔穿刺・胸腔羊水腔シャント術施行例の検討
今野 寛子
1
H. Konno
1
1聖隷浜松病院産科・周産期科
pp.427-432
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001693
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胎児胸水はその原因により原発性乳び胸と続発性の胸水とに分けられる。胸腔穿刺後も再貯留する原発性乳び胸水に対して胎児胸腔羊水腔シャント術(TAS)が行われている。その有効性は明らかである一方,一部にはTASが有効でない症例も存在し,それを予測する明確な基準は示されていない。当科で妊娠管理を行った胎児胸水の症例のうち胸腔穿刺を行った33例を対象とし,生存群と死亡群に分けてその経過や予後などについて後方視的に比較検討を行った。基礎疾患,胎児水腫を認める例が死亡群で有意に多かった。生存群においてはTAS後に胎児水腫が改善する例が多い傾向がみられた。基礎疾患としては21トリソミーが最も多かった。基礎疾患を合併する症例の多くは,その疾患の程度が予後に影響を与える傾向がみられた。
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