特集 症例にマッチする分娩誘発アプローチ
10.産科医療補償制度からみた分娩誘発
佐藤 昌司
1
S. Satoh
1
1大分県立病院総合周産期母子医療センター
pp.421-425
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001692
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産科医療補償制度のもとで作成される原因分析報告書では,子宮収縮薬について適応と禁忌,薬物の用量/使用方法および関連処置の妥当性などについて詳細に検討される。同報告をもとに発刊された産科医療補償制度再発防止に関する報告書によれば,子宮収縮薬が使用された事例257件の検討から,単一薬の使用例は80%前後で,最も汎用される子宮収縮薬はオキシトシンであり,子宮収縮薬が同時併用(禁忌)された事例はなかったこと,オキシトシンで用法・用量過多の事例が多いこと,連続的胎児心拍数モニタリングがなされていない事例が20%以上あり,特にプロスタグランジンE2(PGE2)使用例で顕著であること,および子宮収縮薬使用時におけるインフォームド・コンセント取得率が漸増してきていることがわかった。
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