臨床経験
胎児頸部囊胞性ヒグローマ軽快例の予後検討
香川 景子
1
,
高橋 宏典
1
K. Kagawa
1
,
H. Takahashi
1
1自治医科大学産科婦人科
pp.433-438
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001694
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胎児頸部囊胞性ヒグローマ(CH)が認められると児疾患が増加する。一方,CHが認められても,それが軽快する際は予後良好であることも多い。しかし,CH軽快例が出生後長期にわたり追跡された研究はほとんどない。今回,妊娠11週0日〜13週6日に当院でCHと診断された症例の児予後を出生後も追跡調査した。CHを認めた69例中24例(34.8%)において軽快した。CH軽快例のうち追跡不能であった1例を除いた23例中,なんらかの児疾患が認められたのは12例(52.2%)であった。このなかで認められた児疾患は,ダウン症候群などの染色体異常,ヌーナン症候群,心奇形,原因不明の精神発達遅滞など多岐にわたった。CH軽快例に対する患者や家族への説明も慎重に行う必要があることが示唆された。
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