臨床経験
妊娠23週の胎胞脱出に対し腟壁縫縮術を施行した1例
亀井 沙織
1
,
中村 彩乃
2
,
柳川 真澄
2
,
玉井 華子
2
,
高井 浩志
2
S. Kamei
1
,
A. Nakamura
2
,
M. Yanagawa
2
,
H. Tamai
2
,
H. Takai
2
1足立病院産婦人科
2日本バプテスト病院産婦人科
pp.233-236
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001640
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頸管無力症に対する頸管縫縮術の一定の有効性は示されており,当院では妊娠経過中に頸管無力症と診断した場合は治療的頸管縫縮術を行っている。今回われわれは,妊娠23週の胎胞脱出に対し治療的頸管縫縮術を試みるも結果的に腟壁を縫縮する形となり,4週間の妊娠継続を図れた1例を経験したので報告する。症例は36歳,1経産婦で,前回は正期産であった。妊娠23週1日の定期健診時に胎胞脱出を認め当院に母体搬送となり,同日緊急腟壁縫縮術を行った。妊娠27週6日に胎胞の再脱出を認め,骨盤位であることから同日緊急帝王切開術を施行した。頸管無力症の胎胞脱出例で胎胞の還納が困難な場合でも,腟壁縫縮により妊娠期間の延長が図れる可能性がある。
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