症例
古典的帝王切開後の妊娠に対して子宮頸管縫縮術を施行し,妊娠31週に子宮破裂と診断しえた1例
上田 匡
1
,
松坂 直
1
,
家村 洋子
1
,
髙折 彩
1
,
中村 彩加
1
,
李 泰文
1
,
北村 幸子
1
,
金 共子
1
,
藤田 浩平
1
M. Ueda
1
,
S. Matsuzaka
1
,
Y. Iemura
1
,
A. Takaori
1
,
A. Nakamura
1
,
Y. Ri
1
,
S. Kitamura
1
,
T. Kim
1
,
K. Fujita
1
1大津赤十字病院産婦人科
pp.689-693
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001760
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古典的帝王切開術既往および頸管縫縮術は,子宮破裂のリスクとなる。症例は34歳,2妊1産,第1子は24週に古典的帝王切開術で娩出。今回は,14週に頸管縫縮術を施行,26週に頸管長短縮のため管理入院となった。31週にかすかな下腹部痛の訴えがあり,経腹超音波にて子宮体部筋層の離断を認め,子宮破裂の診断で緊急帝王切開術を施行した。子宮前壁の筋層離断および腹腔内への胎胞突出を認めた。術後の母体の経過は良好,児は日齢103に軽快退院となった。子宮破裂のリスク因子が重複する症例において,破裂を念頭においた管理が望まれる。
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