症例
妊娠37週にて腟外脱出を見た巨大子宮腟部筋腫合併妊娠の1症例
立川 千恵子
1
,
高桑 好一
1
,
上田 宏之
1
,
山本 泰明
1
,
市川 清美
1
,
岡田 義昭
1
,
石田 道雄
1
,
吉沢 浩志
1
,
佐藤 芳昭
1
,
金沢 浩二
1
,
竹内 正七
1
Chieko Tachikawa
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.695-698
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208041
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子宮筋腫合併妊娠は日常臨床上,時に経験されるものであるが,緊急手術の適応となる症例は稀である。今回,子宮腟部に発生した巨大筋腫合併症例で,妊娠37週において筋腫の腟外脱出をみた症例を経験した。症例は38歳の経産婦であり,前回妊娠中期に子宮腟部の筋腫を指摘され帝王切開術を施行されているが,筋腫の切除は行わず経過を観察し今回妊娠に至った。今回妊娠経過中,妊娠33週より筋腫は時に腟外に露出するようになり,37週で完全に腟外に脱出する状態となった。そのため緊急帝王切開術を施行し,次いで筋腫の核出術および子宮腟部の形成術を施行し,母児ともに順調に経過している。このように本症例は特異な経過をたどっており,若干の文献的考察を加え報告する。
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