今月の臨床 産婦人科臨床の難題を解く─私はこうしている
I 周産期管理
【妊娠管理】
4.胎胞膨隆例における頸管縫縮術の方法は?
牧野 康男
1
,
松田 義雄
1
,
太田 博明
1
1東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.375-377
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101713
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 はじめに
頸管無力症は,妊娠16週ごろ以降にみられる習慣流早産の原因の1つである1).既往妊娠時に受けた陳旧性頸管裂傷や,先天的な頸部組織の異常が原因と考えられている1).頸管が開大し,胎胞が膨隆した症例では,胎胞を破水させることなく頸管内に還納し,頸管縫縮術を行うことは容易ではない.胎胞を還納する方法には,骨盤高位2~4)やTrendelenburg体位5),膀胱充満法2, 3, 6),羊水穿刺による羊膜腔減圧法2, 3, 7~13),ならびに生食12, 14),ポピヨンヨード2)またはウリナスタチン15, 16)などで湿らせたガーゼや綿球,さらには風船メトロ3, 7, 12, 17)などを用いて胎胞を還納する方法などがある.
本稿では,胎胞膨隆例に対する胎胞還納法と頸管縫縮術について述べる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.