特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第1章 発生から胎児の形態異常・機能異常を理解する
1.ヒト発生総論,初期発生
山田 重人
1,2
S. Yamada
1,2
1京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター
2同研究科人間健康科学系専攻
pp.1230-1233
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001476
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ヒトは受精後,約38週で出生を迎えるが,その間,分化と成長の過程を経る。ヒトの発生過程は大きく3つの期間に分けることができる。前胚子期(発生第1〜2週)は,受精から子宮壁に着床し初期の胚葉が形成される期間である。胚子期(発生第3〜8週)は器官形成期ともよばれ,身体を構成する各器官が形成される。変化が著明であるため,その形態変化を段階化したカーネギー発生段階(Carnegie stage;CS)1)を用いて説明されることもある。胎児期(発生第9週〜出生)は胚子期に形成された器官が成長する期間であるとされるが,中枢神経系や骨格系など,胎児期のみならず出生後も成長し続ける器官系もある。本稿では,各期の概要と,主に初期発生についてまとめる。
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