特集 胎盤を多角的に理解する
1.ヒト胎盤の初期発生と栄養膜幹細胞研究
大池 輝
1
,
関谷 麻杜
1
,
岡江 寛明
1
1熊本大学発生医学研究所幹細胞部門胎盤発生分野
キーワード:
ヒト胎盤発生
,
栄養膜幹(TS)細胞
,
胎盤オルガノイド
Keyword:
ヒト胎盤発生
,
栄養膜幹(TS)細胞
,
胎盤オルガノイド
pp.469-474
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001173
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要旨
胎盤は胎児が母体内で正常に発生するために重要な臓器であり,その異常は様々な妊娠合併症の原因となる.最近になるまで,適切な実験モデルが存在しなかったために,ヒト胎盤の発生制御機構を解析することは難しかった.しかし,近年のヒト栄養膜幹(TS)細胞の樹立やゲノム編集技術の進歩によって,ヒトの胎盤発生を制御する遺伝子が次々と同定されている.さらに,胎盤オルガノイドや疾患特異的TS細胞の開発なども進んでおり,ヒト胎盤研究を行うための技術基盤が整備されつつある.

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