特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第1章 発生から胎児の形態異常・機能異常を理解する
4.顔面の発生
山田 重人
1,2
,
中野 詩織
1
,
山口 豊
1
S. Yamada
1,2
,
S. Nakano
1
,
Y. Yamaguchi
1
1京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター
2同研究科人間健康科学系専攻
pp.1246-1251
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001479
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頭頸部の大部分は,沿軸中胚葉,側板中胚葉,神経堤細胞および外胚葉性プラコードからなる。沿軸中胚葉は頭頸部の骨格筋や真皮,髄膜,大部分の神経頭蓋を形成し,側板中胚葉は喉頭軟骨と周囲の結合組織を形成する。神経堤細胞は脳領域の神経外胚葉に由来し,咽頭弓や顔面領域に遊走して,様々な器官を形成する。外胚葉性プラコードは外表で生じる外胚葉の肥厚であり,これらの細胞が陥入または遊走することによって,特殊感覚器や一部の脳神経の神経節のニューロンなどを形成する。また,頭頸部の発生に特徴的なものとして咽頭弓(pharyngeal arch)〔鰓弓(branchial arch)ともいう〕の形成が挙げられる。このあたりの詳細な説明は第1章「7.四肢の発生,運動器系・骨格系の発生」に譲り,本稿では顔面隆起・突起の構成およびプラコードの形成について概説する。
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