特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第1章 発生から胎児の形態異常・機能異常を理解する
7.四肢の発生,運動器系・骨格系の発生
山口 豊
1
,
山田 重人
1,2
Y. Yamaguchi
1
,
S. Yamada
1,2
1京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター
2同研究科人間健康科学系専攻
pp.1267-1274
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001482
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
運動器系を構成する骨と骨格筋および軟骨は,いずれも間葉(mesenchyme)から発生する。間葉は細胞同士が突起を介して緩やかにつながっている未分化な非上皮性組織であり,主として中胚葉(mesoderm)に由来する。頭頸部などの一部の領域では外胚葉(ectoderm)から遊走した神経堤細胞(neural crest cells)にも由来する。運動器系は,これらのなかから沿軸中胚葉(paraxial mesoderm),側板中胚葉(lateral plate mesoderm)の壁側板すなわち壁側中胚葉(somatic mesoderm),および神経堤細胞に由来する間葉から形成される1)2)(図1)。沿軸中胚葉からは軸骨格である脊柱と肋骨,および体幹と四肢の骨格筋が形成され,壁側中胚葉からは四肢の骨格と胸骨が形成される。頭蓋顔面部の骨格および骨格筋は,頭部領域の中胚葉および遊走した神経堤細胞から形成される。図2に運動器系形成のフローチャートを示す。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.