症例
直腸癌術後に発生した直腸腟瘻修復手術の2例
土田 達
1
,
杉田 元気
2
,
荒木 皓光
1
,
飯藤 弘光
1
,
堀 芳秋
1
,
小林 寛人
1
,
加藤 じゅん
1
,
加藤 三典
1
,
田中 政彰
1
T. Tsuchida
1
,
G. Sugita
2
,
H. Araki
1
,
H. Iitou
1
,
Y. Hori
1
,
H. Kobayashi
1
,
J. Katoh
1
,
M. Katoh
1
,
M. Tanaka
1
1福井県立病院産婦人科
2福井赤十字病院産婦人科
pp.1121-1125
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001430
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
直腸癌術後に発生した直腸腟瘻の2例に対し,経腟的に修復手術を行ったので報告する。症例1は,直腸腟瘻発生2年後に,瘻孔の周囲を十分に剝離し直腸の移動性を確保したうえで瘻孔周囲の健常な直腸を吸収糸で巾着縫合を行い,手術の2カ月後に瘻孔閉鎖を確認した。症例2は,直腸腟瘻発生6カ月後に手術を行った。本症例は症例1より瘻孔が大きいため,子宮脱手術時の後腟壁形成術様に腟粘膜を剝離しながら瘻孔周囲にアプローチした。瘻孔口側に瘢痕組織を認めたが,健常な直腸粘膜を確保することができ,これを縦に縫合し術後47日目に瘻孔の閉鎖を確認した。以上のように直腸腟瘻修復手術においては,瘻孔発生直後でなければ少なくとも3カ月以後に,健常な直腸粘膜を確保し縫合閉鎖することが肝要と考える。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.