症例
子宮頸癌術後照射の10年後に発生した血管肉腫 Stewart-Treves症候群の1例
土田 達
1
,
白藤 文
,
倉田 和巳
,
小林 寛人
,
堀 芳秋
,
加藤 じゅん
,
田中 政彰
,
加藤 三典
,
中林 伸之
1福井県立病院 産婦人科
キーワード:
MRI
,
子宮頸部腫瘍
,
扁平上皮癌
,
アジュバント放射線療法
,
腹壁
,
Stewart-Treves症候群
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Uterine Cervical Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Abdominal Wall
pp.459-462
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016251501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
46歳(3経妊2経産婦)。子宮頸癌に対する広汎子宮全摘出術および術後放射線治療から10年目に右下腹壁の腫瘤を自覚、今回、徐々に腫瘤が増大したため著者らの施設へ受診となった。所見では浮腫状となった右下腹壁に3cm大の暗紫色の腫瘤が存在していたが、これは術後放射線治療の照射部位にほぼ一致していた。また、MRIでは同部にT1強調像で高信号、T2強調像で低信号を呈する腫瘤が認められ、CTでは下腹壁全体に浮腫性変化がみられた。以上、これらの所見を踏まえて、生検組織検査を行なった結果、本症例は血管肉腫と診断、広範腫瘍切除術が施行された。しかし、術後14ヵ月目に局所再発を認め、2回目の切除術を施行するも、その2ヵ月後にも局所再発した。そこで、切除術を行うとともにパクリタキセルによる化学療法を追加したところ、初回切除術から5年経過現在、再発はみられていない。尚、本症例は広汎子宮全摘出術後の放射線照射を行った部位に発生したStewart-Treves症候群と推察された。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.