特集 経腟分娩vs帝王切開—分娩様式の選択と対応—
12.胎児機能不全
内田 季之
1
T. Uchida
1
1浜松医科大学周産母子センター
pp.625-631
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001304
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胎児機能不全(NRFS)は,胎児心拍数陣痛図(CTG)の心拍数波形で主に診断される。CTGは偽陽性率が高いため,分娩前は超音波検査を併用し,分娩中は分娩経過,リスク因子も考慮する必要がある。CTG波形はレベル分類し,レベル3以上をNRFSと診断することができる。レベル3以上の波形が長時間継続するようであれば胎児アシドーシスの可能性が高くなるため,「産婦人科診療ガイドライン—産科編2020」では10〜60分程度の間隔で経腟分娩の可否を検討することが示されている。胎盤はNRFSの原因分析に有用であるため,日本産科婦人科学会周産期委員会の「胎盤のみかた」を参照して肉眼・病理検査による評価で次回妊娠時の参考とするようにしたい。
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