特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
A.妊娠中の産科異常
12.胎児発育不全(FGR)
菊地 範彦
1
1信州大学医学部附属病院産科婦人科
pp.74-79
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000136
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胎児発育不全(FGR)は「超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値」を用いて判断し,胎児推定体重が−1.5SD未満をFGRと診断する.FGRの原因は多岐にわたり,その予後も様々である.原因や発症時期や重症度が,児の生命予後や神経学的予後に大きく関与するが,現時点ではFGRを改善させる有用な治療法はない.母体基礎疾患や感染症などの原因がある場合にはその治療を行いつつ,不必要な早期妊娠帰結にならないように管理を行い,胎児死亡を予防しながら適切な分娩時期を見極めることが重要となる.
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