症例
臍帯肉眼所見から早期診断しえた新生児真菌感染症の3例
寺本 麻友子
1
,
磯村 直美
2
,
内田 季之
3
,
伊東 宏晃
2
M. Teramoto
1
,
N. Isomura
2
,
T. Uchida
3
,
H. Ito
2
1磐田市立総合病院産婦人科
2浜松医科大学産婦人科学講座
3浜松医科大学周産母子センター
pp.623-629
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002992
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臍帯白斑はカンジダによる子宮内感染を起こした臍帯に特異的に認められる所見である1)。妊娠中の外陰腟カンジダ症は珍しくはないが,カンジダによる子宮内感染はまれで早産児に多く,発症すると児に重篤な症状を引き起こす。今回,分娩後臍帯白斑を確認した3症例を経験した。1例目は先天性皮膚カンジダ症,2例目は先天性全身性カンジダ症,3例目は無症状であった。3症例すべての児に抗真菌薬の投与を行った。早産では予防的に抗真菌薬を投与することもあるが,娩出時に胎盤を確認し臍帯白斑から早期に子宮内カンジダ感染の診断を行うことで治療が必要な児への加療を早期に開始できる可能性がある。
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