特集 経腟分娩vs帝王切開—分娩様式の選択と対応—
11.妊娠高血圧症候群
-—分娩様式の選択と分娩扱いのポイント—
鈴木 寛正
1
,
大口 昭英
1
H. Suzuki
1
,
A. Ohkuchi
1
1自治医科大学産科婦人科学講座
pp.615-623
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001303
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
妊娠高血圧症候群では,母児の妊娠終結の要件に照らし合わせて,妊娠を終結させるかどうかを判断する。妊娠終結と決断した場合,妊娠34週未満での早期娩出では帝王切開術が一般的であるが,妊娠34週以降で子宮頸管がすでに熟化しており,かつ,経腟分娩を行う時間的猶予があれば分娩誘発を試みてもよい。妊娠37週以降は待機せず,分娩誘発あるいは帝王切開術を行う。分娩誘発の場合,血圧を1時間ごとに測定し,持続胎児心拍モニタリングを行うとともに,緊急帝王切開術をすぐに実施できるように準備しておくことが望ましい。重症高血圧に対しては,ニカルジピンおよびMgSO4で対応する。無痛分娩は降圧効果が認められる。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.