産婦人科医療--明日への展開 Pre-Pregnancyの諸問題
合併症婦人の妊娠対策—SLE
安倍 達
1
Toru Abe
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
pp.340-341
発行日 1983年5月10日
Published Date 1983/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206804
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全身性エリテマトーデス(SLE)の全国平均有病率は確実例,疑い例を含め人口100万人に対し約50〜100人と推定されている。このうち確実例は48.5%である。確診例の性比は男:女が1:11と女性に圧倒的に多く,年齢分布は10歳未満から70歳以上であるが20歳台が最も多い。このことからも明らかなように,SLEは妊娠可能な女性に好発する疾患であり,妊娠の問題は非常に重要な意味をもっている.最近ではSLEの治療法の進歩につれて,生命予後は改善し,これまでの"致命的"な疾患から,"慢性疾患"へと理解が変わってきた。その意味でSLEにおける妊娠の問題は,今後増々重大な意味をもつ"合併症"であるといえる。
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