特集 日本の周産期事情update―出生コホート研究からわかったこと―Ⅱ
各論
12.周産期の環境と乳幼児の神経発達
田井中 華恵
1,2
,
高橋 長秀
1,3
,
土屋 賢治
1,3
H. Tainaka
1,2
,
N. Takahashi
1,3
,
KJ. Tsuchiya
1,3
1大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
2医療法人社団種光会朝山病院
3浜松医科大学こどものこころの発達研究センター
pp.125-130
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001176
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近年,周産期の環境が児の神経発達や自閉スペクトラム症(ASD),注意欠如・多動症(ADHD)などの神経発達症の発症にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。これまでに海外から周産期の糖尿病,高血圧,向精神薬の使用などとの関連が報告されているが,われわれが2007年に立ち上げた「浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)」においては,周産期のBMIやうつ病,在胎週数比低出生体重,出生体重/胎盤重量比,さらには出生時の季節などが児の神経発達や神経発達症の発症と関連していることが明らかになってきた。今後は,これらの周産期環境のもたらす長期的な影響や,生物学的なメカニズムを明らかにしていくことが望まれる。
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