症例
当院で妊娠分娩管理した体位性頻脈症候群(postural orthostatic tachycardia syndrome;POTS)の1例
牧野 郁子
1
,
相澤 利奈
2
,
池田 理絵
2
,
我謝 正平
3
,
永田 恵蔵
3
,
牧野 康男
1
I. Makino
1
,
R. Aizawa
2
,
R. Ikeda
2
,
S. Gjya
3
,
K. Nagata
3
,
Y. Makino
1
1沖縄県立北部病院産婦人科
2昭和大学産婦人科
3沖縄県立北部病院内科
pp.1509-1514
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001101
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POTSは起立時に心拍数が異常増加し,失神前駆症状,運動不耐性,疲労,浮遊感,眩暈などの起立不耐性の症状で分類される症候群である。われわれは,妊娠初期にPOTSと診断された症例を経験したので報告する。症例は24歳,0妊1産。妊娠7週に動悸と羞明で救急外来を受診し,12週にPOTSと診断された。妊娠30週に立位時における頻脈増悪と切迫早産のため入院管理としたが経過良好だった。妊娠39週に自然陣痛発来し,3,554gの女児を経腟分娩した。産褥3日目まで症状増悪あり,床上安静とし生態情報モニタを装着した。産褥3日目に離床し,6日目には立位で135/回程度ではあったが,育児可能であるため退院となった。今回,妊娠時のPOTSの扱いに関するデータ不足のため周産期管理に苦慮した。散見する報告では妊娠予後は良好とあるが,個々の症例に応じての管理を要する。
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